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最適な読書体験

 

わたくし超マイナー小心作家なのでエゴサもしちゃうわけですが。

発売から約5年になろうという今でも『灰と王国』書籍版を初めて全部読んだという方はいらっしゃいまして…。

 

諸々考えて紹介はしませんが、少し前に1巻の感想を記したブログを発見しました。

最後まで読んで頂けるかな、とひっそり見守っていたのですが、最近無事に読了し、かつとてもご満足いただけた様子だったので、ああ良かったなぁ、としみじみ嬉しさを噛みしめております。

 

本当に良い読書をした後は、閉じた本を胸に抱きしめて息をつかずにはいられない。

あの深い満足を私自身とても大切に思うからこそ、私の作品が誰かにそれをもたらしてくれたなら、この上ない幸いだと思います。

良い出会いをしてくれたなぁ、と。

 

『灰と王国』は、第一部はダークファンタジーの趣ですが全体としてはいわゆるヤングアダルトの部類なので、ゴリゴリハードで人が死にまくって容赦ない類を期待した方から、わりとちょくちょく「あっさり」「物足りない」という感想を頂戴するんですけども。

このバランス――厳しい暗さと平穏な明るさとの――を、ちょうど必要とする読者もいるのですよね。

 

物足りなければ「この程度か」と投げ出さずに、設定や人物の心情など踏み込んであれこれ考えてみたら、大抵の作品は奥深く楽しめるものです。

でも残酷さや強欲さを剥き出しにした物語をソフトに読む、なんてのは無理な話なので。

 

灰王はもう書店には並ばないけれど、どこかの図書館で、あるいは電子で、これからも誰かと幸せな出会いをしてほしいと改めて思いました。

ここに書いても届きませんけども、ご感想をウェブに上げてくださったことにも感謝を。